• 無線LAN(Wi-Fi)が遅いのは何故か

    無線LANがパッケージに書かれているスピードより遥かに遅いのは何故か(๑゚㉨゚๑)
    答えは簡単!もともとそんなスピードが出るように作られていないからだ!
    というのが今回のお話です。

    無線LAN製品(無線LANルータ、Wi-Fiアダプタなどいろいろ)に書かれている「~Mbps」「~Gbps」という数字は、正確には「電気⇒電波への変換効率」を表すものです。
    もっと簡単に言うと、装置のしゃべるスピードです。
    決して「通信速度」、つまり「コミュニケーションの速さ」を表すものではないのです。

    このパッケージに書かれている「速度」よりも遅くなってしまう原因は大きく3つに分かれます。

    1. 無線LANという技術の限界
    2. 製品の性能の問題
    3. 外的要因

    では順に、1300Mbpsの速さでしゃべる無線LANルータさんを例に紹介していきます。


     

    1.無線LANという技術の限界

    よく、店頭では店員さんが「この数字は理論値ですので、実際にはそこまで出ませんが…」という説明をされています。
    ところが、実は理論的にもその速度は出ません!なんということでしょう。

    有線LANはLANケーブルを用いて必ず1:1で接続されますが、無線LANは1:1とは限りません。
    1:2かもしれないし、1:10かもしれません。
    無線LANは空間に電波を発射して情報をやりとりしますので、同時に発射すると混ざって訳が分からなくなってしまします。
    そこで無線LANでは、「しゃべりだす前に、他に誰かしゃべってないか待って確認する」ことを約束事にしています。
    つまり、しゃべってる間は確かに1300Mbpsかもしれませんが、実はしゃべれない時間も多いのです。
    さらに、人数が多くなるとしゃべれる時間は限られてきます…。
    (実際にはしゃべる前に待つ、しゃべった後届いたよーという返事を待つ、という感じです。)
    このことを、専門的にはCSMA/CA方式と呼ぶそうです。気になる人はぐぐってみましょう。

    また、1度に1人ということは、無線LANでは「話す」と「聞く」が同時にできないことを意味します。
    LANケーブルの中には実は線が8本入っていて、4本は「話す」用、4本は「聞く」用と使い分けることができます。
    通信用語では、有線は全二重通信、無線は半二重通信とまとめることができます。

    2.製品の性能の問題

    意外と意識されていませんが、パソコンと同じく無線LAN製品にもCPUやメモリが搭載されていることをご存知でしょうか。
    実は、パソコンのスペックをCPUやメモリが左右するように、無線LANの性能をCPUやメモリが左右します。
    たとえるならば、いくら早口が得意な人であっても、頭の回転が遅ければスムーズにコミュニケーションが取れないわけです。

    残念ながら、とても早口にしゃべれるのだが、お頭がついてきていない製品をたくさん見てきました。
    無線LANの規格に対して貧弱すぎる演算能力なのです…。
    ちなみに、このへんが業務用無線LANとの違いかなと思ってます。業務用の無線LANでは、CPUに処理を任せず、専用チップで処理を行うなど、負荷を分散するなどして性能を確保しているものもあります。(この辺は有線LAN製品でも同じですね。)

    3.外的要因

    外的要因は簡単ですね。周りが雑音でうるさけりゃ、聞こえにくくてコミュニケーションがスムーズにいかないというお話。
    大きな声でしゃべればええやん!ということなんですが、いかんせん話し声の大きさは決められてるので…。
    また、たとえ静かでも遠くなったり、壁をはさんだりすると聞こえにくくなり、やはりスムーズにはいかなくなります。

    電波にデジタル情報(1か0か)を乗っけるにはたくさんの方法がありますが、その乗せ方を「変調方式」といいます。詳しく知りたい方はPSKや16QAMといった変調方式や、OFDMといった「多重方式」、MIMOなどの技術について調べてみるといいでしょう。
    どういった経緯で1300Mbpsという早口になっているのかが導き出せると思います。


     

    さて、3つ紹介しましたが、1.に関してはどうしようもありません。そういう決まり事ですから。2.に関しては情報を公開しているところは少なく、有志で調べた方の情報がネット上にちらほらといった程度でしょうか…。

    そんなこんなで、「最新のIEEE802.11ac準拠の無線LANルータで最大1300Mbps!」といっても、

    • そもそも、スループットは理論的に1300Mbpsも出ないし、接続数が増えれば半減する
    • 本当にそれだけの通信量をカバーできるメモリとCPUなのか
    • 周りで同じ周波数の電波を使ってる人がいたら速度は落ちてしまう

    という問題が内在しているわけです。

    このほかにも、古い規格との互換性を持たせたままにしていると思うようにスピードが出ないといった要素もあります。
    たいていのIEEE802.11ac準拠製品は古いIEEE802.11a、IEEE802.11nとの互換性(古い機器でも接続できる機能)を持たせてあります。古い機器が接続できなくてもいい!というのであれば、設定で下位互換性を外せば多少スループットの改善がみられるかもしれません。

    何か速度を改善する方法を探していた方は期待に添えずすみません。
    上記のような理由で、ある程度は仕方ないんだな、と思って頂ければと思います。

    ではでは、今日はこのへんで(๑・㉨・๑)ノシ

    カテゴリー: ネットワーク, 技術系

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